つぶつぶ包丁を作ってくださっている渡辺刃物さんに
いろいろ質問をさせていただきました。
とても丁寧に答えてくださったのでそのままみなさまにお伝えしたいと思います。
Q 刃の材料は安来鋼(やすきはがね)ですか?
A はい、安来鋼を使用しています。
その中でも菜切は、白紙(しろがみ)。万能は青紙(あおがみ)といいます。
Q それはどんなモノなんでしょうか?
A かつて、たたら製鉄により作られた玉鋼(たまはがね)という素材があります。
これによって造られたのが日本刀でした。
玉鋼は河川から拾ってきた砂鉄や鉄鉱石で手作りされていました。
現在は、これに代わり溶鉱炉などの機械を使いアレンジして作ったものが、
安来鋼です。現代版玉鋼や玉鋼の末裔と言えます。
どちらもリン、イオウなどの不純物が大変少なく、金属組織が大変細かく、
揃っているのが特徴です。刃物にたいへん向いています。
この中でも白紙は、最も日本刀に近いと言われているシンプルで高炭素な鋼です。
これにタングステンという合金を混ぜて更に粘り強くしたものが青紙です。
白紙の特徴は、よく切れ、研ぎやすい。
青紙は、刃持ちがよく、頑丈です。
白も青も初めの切れ味は一緒ですが、青のほうが長く切れやみません。
でも、青は粘り強いので研ぎにくいです。
Q 黒打ちというのはどういうものいいますか?
A 黒打ちというのは、鍛造した黒肌を削り落とさないで仕上げてものです。
黒肌の良さは、とても安定していてこれ以上錆びない点と、機械工業製品に
ない手打ちのイキイキした風合いがある点です。
それと菜切は極軟鉄に白紙を割り込んであります。万能はステンレスに青紙を
割り込んであります。
Q 割り込むというのはどういう状態のことですか?
A 硬い芯金(刃先)を軟らかい地金でサンドウィッチのように包むことを
いいます。ちょうど硬い芯を持つ、鉛筆のような構造です。
芯だけだと落としただけで粉々に割れてしまいますよね。
.....細かくお答えくださってありがとうございました。
何でこんなにスイスイ切れるんだろう?
今まで使っていたステンレスの包丁とどう違うんだろう?
菜切りは自分で研げるけど万能は上手に研げない気がするのはなんでだろ?
黒打ちって必要なのかな。
などなどいろいろな疑問がするすると解けて納得!!
みなさんはいかがですか?
ご質問などございましたらまた、機会を見てお答えいただこうと思います。
お気軽にお問い合せください。
さて、そろそろ包丁研ごうかなぁ。
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